10日間集中セミナーの7日目

テーマ :ゲシュタルトの原則とアプローチ編
「充分に経験する」
ゲシュタルトのアプローチの背景には、そのアプローチを創り出した哲学と理論がある。
人は日常で不快感やネガティブな経験をすると、そこに留まらず、さあ、もっと大事なことに目を向けよう、こんなことに振り回されないで前向きに生きよう、と言い聞かせてテレビのチャンネルを回すように意識を切り替える。
その代わりに、不安やパニック状態、怒りや不快な感覚を受入れるのである。など明確なものだ。また何か分からないモヤの世界にも意識を向けて「充分に経験」するようにしてみるのだ。
それが不快であっても自分の感覚を信じて、そこに居続ける体験をクライアントに提案する。その不快感や感覚を超えた時に新たな気づきが生まれるからである。
『〜になる』
この何かになるというアプローチは投影やサイコドラマと似ている。もしクモが怖いという女性がいたら、その「蜘蛛になる」ようにすすめる。すると「私は蜘蛛となり獲物を待っている」とか.『透明な糸を貼り相手を身動きさせない』ような自分の性格とは対象的な言葉や動きが自然と出てくることがある。日常では意識のそこに押しやった自分自身であったり、力強さに驚く人もいる。
自分はこのような人間であると思って他の自分の側面を意識の外に追い出しているからだ。「充分に経験」していると他の側面が浮かび上がる。
『ルビンの杯』と呼ばられる人の顔/杯のデザインは、図と地、と呼ばれている。日常の生活では意識のあること(図)の背景に対極的な意識(地)がなっていることに気づかない。そこで不快な感覚や価値のないものと感じているものを、「充分に経験」することで図と地の「反転」が起こり新たな経験をするのである。

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